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コラム

天気病みのお話~これからの梅雨を無難に越えていきましょう~

雨の日に調子悪くて…頭痛やだるさ、古傷が疼くなど、患者さんだけでなく日常的に聞きます。いわゆる天気病み、体には何が起こっているのでしょうか?

 

天気病みの原因は大きくは「雨(湿気)」と「気圧」の2つに分けられますが、今回は「気圧」ついて話してみましょう。

気圧の高低によって体はどうなるのか。簡単に言えば、全身が膨れたり縮んだりしているということになります。

雨の日は低気圧です。気圧とは体を覆っている空気の圧力で、それが減ると体は膨張します。山の上でお菓子の袋がパンパンに膨らむという現象と同じですね。膨張した体は浮腫みに似た状態となり、体の各所は機能低下を起こします。内臓の働きが落ちたり血流が弱くなったり…それらにより頭痛やだるさ、お腹の調子、古傷が疼く…ほかにも様々な症状が現れてきます。大抵の場合はどれも耐えられる程度のものですが、中には寝込んでしまうほど大きな症状を起こす場合もあります。

ただ、人体は高い適応能力を持っているおかげで、気圧が下がり切ってしばらくすれば症状が落ち着くことも多いです。雨の前は辛いけど降ってしまえば楽になる、なんて心当たりのある方もいるでしょう。季節の変わり目もそうですが、人間は「変化」に弱いと言えます。

 

また、見落とされがちなのがその後です。

気圧が下がった後には元に戻るために上がる時があります。「変化」に弱いのですから、雨の前に比べれば影響は軽度なので感じない人も多いですが、実は雨上がりの不調もあるのです。

 

さて、では自然が相手では小っぽけな人間は諦めるしかないのかというと、そうでもありません。実際、天気が悪くても何ともない人は周りにもいるでしょう。いったい何が違うのでしょうか?

これを一言でいえば「元気かどうか」です。気圧の変化によって体は壊れてしまったわけではなく、一時的な機能低下を起こしているだけです。変化の影響は誰しもが受けていますが、それに耐える体調…機能低下しないだけの元気があれば越えていけるものです。

これは単純な体力的なことばかりではなく、体質の影響も大きいです。体質には人それぞれに差や特徴があり、そこには天気病みに対する有利不利があります。とはいえ強い人でも雑に過ごせば体調を崩しますし、弱い人でも養生していけば不調の軽減に繋がります。

 

元気のためには、良く食べて良く寝て良く動くことが基本。「良く」とは「ほどほど」でしょうね。

 

鍼灸や漢方薬のような東洋医学の全身的な治療は体の機能を高めることで予防に役立ちますし、症状が出てからでも対処できます。仮に治療を抜きにしても、東洋医学の診察法は人それぞれの体質を把握しますので、自分の体質を知ることで季節や天気に合わせたより効果的な養生を可能にします。

特に浮腫みやすい水毒体質は天気病みと相性が悪く、これはもともと日本人に多い体質ですから要注意。日頃からの養生が尚のこと重要といえるでしょう。

【必ずお読みください】当院における今後の対策方針