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コラム

湯たんぽ、どこに置く?

11月に入り、朝晩は冷えるようになってきました。以前、湯たんぽについてお話しましたが、そろそろ活用されていますか?

今回は、せっかくなので東洋医学ならではのコツでもう一段効果を高めていきましょう。

以前の記事はこちら→「湯たんぽ ~結局、先人の知恵が良い~」

 

 

コツとは温める場所についてです。

まずは下腹部。お臍の下に位置するここは、特に武道においては古来より「臍下丹田」と呼ばれ大切にされてきました。体の重心の要であり、元気を生み出す源の場所とされています。実際に丹田に相当する位置には「関元(かんげん)」というツボがあり、当院では元気をつけて治癒力を高めるために関元のお灸がお決まりです。また、腹圧がしっかりと下腹部にかかることで重心が正され、腰や肩に無駄な力がかからず一本芯の通った安定感のある自然な姿勢に戻っていきます。良い姿勢とは、腰や背中で背筋を引き伸ばすのではなく、下腹部から体を持ち上げるのですね。

普段の生活ではもちろん、スポーツにおいても丹田の腹圧を使いこなして初めて自分の能力を余すことなく発揮することができます。

ご家庭では寝る時に仰向けに寝転んで丹田に湯たんぽを乗せてみてください。元気が体中を巡るというのはとても心地良いことで、ウトウトしてきてしまうことでしょう。15分くらいで良いですよと言うのですが、外す間もなく寝落ちしちゃいましたと仰る方があとを絶ちません。

 

もう一つは足の裏。

ここには「湧泉(ゆうせん)」というツボがあります。鍼灸治療では特に浮腫みの体質や冷え性、また意外かもしれませんが逆上せや火照りのために使うこともあり、ここもお灸が鉄板のツボです。全身の水の代謝から血流が整えられ、流れが滞った場所に溜まっている冷えや熱を流して解消してくれます。

お布団の中では足元へ置いて足の裏から温まるようにすると良いでしょう。蹴とばそうにも届かないよう離れて置いても、お布団の中にあればじんわりと足裏を温めてくれますよ。(以前の記事のイラスト…湯たんぽの位置には意味があったのですね~)

また、椅子に座っている時には足元で湯たんぽを踏んずけているのも良いですね。

 

寝る時には、まずお腹の上に湯たんぽを乗せて、ある程度したら足元に移動させてから寝てしまえばグッスリです。

どちらも鍼灸治療では鍼よりもお灸を使うツボだからこそご家庭でも温めることが効果的。今年の冬は寒さ厳しい予報、ぜひ試してみてくださいね。

 

低温やけどにはご注意ください。低温やけどは60℃で1分、50℃で3分、42℃でも6時間当てていれば起こるとされています。

【必ずお読みください】当院における今後の対策方針