前回までに湯たんぽの良さとコツのお話をしてきました。
今回はではなぜそこを選んだのか…その理由の一端を、足の裏を題材に見ていきましょう。
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・「湯たんぽ ~結局、先人の知恵が良い~」
・「湯たんぽ、どこに置く?」
ツボに効果を発揮してもらうために大事なことがあります。
それは「えこひいき」すること。
ツボというのはたくさん使えば効果が高くなるのではなく、むしろ1つ1つのツボの効果がボヤけて薄れてしまいます。なので鍼灸治療では、1本でも使う鍼を減らす事によって、狙った効果を的確に最大限引き出せるようツボを選定していきます。
断じて、ケチって鍼の数を減らそうとしているわけではありません(笑)
もちろんツボの組み合わせで効果を高めたり、別の効果を生み出したり…治療となるとさらに色々なやり取りがあり、ツボを減らすだけが全てではありませんが。
全身には360以上のツボが並んでおり、湯たんぽのような面積のある物だと体のどこでも当てた範囲に複数のツボがあり、効果がぼやけてしまうわけです。
そこで「足の裏」なのです。
実は、足の裏にはツボは1つしかありません。
よくある足つぼマッサージなどは内臓に反応する神経の場所を示したものであって、東洋医学・鍼灸治療のツボとは別のものです。鍼灸治療ではただ1つ、「湧泉」がそこにあります。(治療独特のツボは他にもありますが)
つまり、湯たんぽのような面積のある物でも1つのツボをえこひいきできる唯一の場所が足の裏であり、そこにある「湧泉」は浮腫みや腰痛から冷え性など、睡眠の妨げになるものを解消します。そして「湧泉」は鍼ではなくお灸一択のツボですから、寝る前に温めるにはもってこいなのです。
温めること自体にも意味がありますから必ずしもツボに拘る必要はありませんが、コツの1つとしてぜひ覚えておくと面白いです。